研究参加Q&A

研究参加Q&A

Q1:なぜ、このような検診の研究が企画されたのですか?

肺がんによる死亡は増加しており、その対策は国家的にも重要です.現在日本で行われている胸部X線検査と喀痰細胞診検査は肺がんによる死亡を減らす効果があることがわかっておりますが万能ではなく、検診を受けても肺がんで亡くなる患者さんもいるのが実情です。
最近,胸部のCT検査(コンピューター断層撮影)を肺がん検診に用いる方法が一部で行われ始めました.その結果,多くの早期がんが見つかるようになったのですが,一方で,本来ならば治療する必要のないような病変も手術してしまったりする例があるのではないか,ということも危惧されており,CT検診とX線検診のどちらがより有益であるかはわかっていません.CT検診とX線検診を比べるために,当初は厚生労働省主導で本研究が開始され、最近厚労省・文科省などが医療分野の研究開発を行うために立ち上げた日本医療研究開発機構が主導する研究班(佐川班)でこの研究が引き継がれました。全国で行う計画が立てられ、その一つがあなたの住んでいる地域または職場になりました。

Q2:どのように行われるのですか?

CT検診は小さなものも見つかるかわり余計なものも見つけるかもしれず、X線検診より良いのかは現在のところ不明です。そのため、CTとX線の、どちらかが「損」だの「得」だのということはありません.この研究では「CTとX線のどちらの検査法でも良い」と言っていただける方を集め,コンピューターで公平に分け、半分の方(CT群)にCT、もう半分の方(X線群)にX線検診を行っていただきます。X線とCTのどちらの検査も、肺がんを数多く診断・治療している私たち専門医が、検査したフィルムを責任をもって診断します。

Q3:2年目以降はどうなるのですか?

1-2年では結果がはっきりわかりませんので、この研究は10年間行う予定です。ただし,毎年こちらで検診を行うわけではなく,通常の年にはいつもの検診施設・バスなどで普通の肺がん検診を受診してください.すなわち,X線群の方は今年はX線検査を受けていただき、来年以降は通常の住民・職場検診でX線検査を受けていただきます。一方、CT群の方は、10年間に今年と6年目の2回CT検診を受けていただき、残りの8年は通常の住民・職場検診でX線検査を受けていただきます。

Q4:実際に参加するにはどうしたら良いのですか?

この研究に参加するには、主に2つの方法があります.一つは,みなさんが毎年受診されている検診団体・自治体などが佐川班の研究に参加することです.この場合皆さんが直接申し込むわけではありませんので,受診されている検診団体や自治体に,佐川班への参加を呼び掛けていただくことが必要です.
もう一つは,別ページの「佐川班研究を受けることができる医療機関」のページを開いていただき,そちらを受診することです.こちらは募集を開始したばかりのため,これから増加する予定です.

Q5:費用はかかるのですか? 何年間行うのですか?

今回の検診で行うX線検査、CT検査は、いずれも事務局が負担しますので、皆さんの負担はなく、無料になります。CT群の方は6年後にもう一度CT検査がありますが、その費用も無料です。ただし、検診で異常が見つかって医療機関で精密検査を行う場合には、通常の保険診療として通常の窓口負担が生じます。また、万一の話ですが、今回の検診の検査時にたまたま転んで骨折したような場合には特別な補償はなく、通常の保険診療の費用がかかります。来年以降は通常の検診を受けていただきますが、その場合には通常の自己負担がかかります。
この研究は10年間行う予定ですが、国の予算で動いているため、事業仕分けなどで予算がおりなくなれば中断する可能性もあります。

Q6:CT検診で予想される利益と不利益には何がありますか? 検診で必ずがんが早期に見つかるのですか?

胸部CT検診を受けた方の予想される利益としては,肺がんによる死亡をX線よりもさらに減らすことができるかもしれない,ということが挙げられます.一方,不利益としては,第一に放射線被曝の問題が挙げられますが,今回対象の年齢の方ではそれほど問題ありません.その他の不利益としては,治療の不要な良性病変のために精密検査や手術が必要になる可能性があります。また,がんであっても非常に増大速度が遅く天寿を全うできるようなものを手術してしまう可能性もあります.あまり小さなものまで精密検査を行うと受診する方の不利益になるため、この研究では日本CT検診学会の基準に従って「要精密検査」とするように規定しています。 CTとX線のどちらの場合でも、精密検査や治療を行っている中で医療上のトラブル・合併症に巻き込まれる可能性は0にはできませんので、そのような可能性はあります.また、非常に小さながん、急速に増大するがん、見えにくい場所にできるがんは、検診では見つけられないことがあります。肺がん以外の病気、たとえば甲状腺のがんや乳がん、心臓病、喘息、肺気腫等はこの検診では見つけられないとお考えください。

Q7:参加するときの条件はありますか?

この研究では参加の募集に2種類の方法を用いています。

  • ①ひとつは「事前予約+説明会型」で、主に住民検診などで行っています。
     あらかじめ説明書を郵送などでお届けし、説明会への参加を募ります。
     説明会にご参加いただき、そこで説明のビデオを直接見ていただき、参加の意思を確認する必要がありますので、説明会に出席できない人は参加できません。
  • ②もうひとつは「受診当日説明型」で、主に施設検診で行っています。
     当日説明を受けていただき、その場で参加の可否を決めていただきます

そのようにしてご参加いただくのですが、参加するためには、いくつかの条件があります。

  • 1.検診に10年間参加できそうな方(参加する意思があれば確証は不要)で、下記の「健康状態や病気に関する調査」に承諾していただける方のみ参加できます。
  • 2.以下の方は参加できません。
    • ①今までにタバコをたくさん吸った方。具体的には、「タバコを吸った年数」と「その期間の平均の1日当たりのタバコを吸った本数」とを掛け算して600以上の方は参加できません。まず、禁煙をすることが肺癌から命を守る第1歩です。
        例:1日1箱で35年 20本X35年=700 ⇒ 参加できません
          1日10本で40年 10本X40年=400 ⇒ 参加できます
    • ②いままで御自身が肺がんにかかったことがある人
    • ③現在、肺がん疑いで医療機関で検査やフォローをしている人
    • ④過去10年以内に「CTによる肺がん検診」を受診した人
    • ⑤過去5年以内に、いずれかの「がん」にかかった人
    • ⑥重篤な病気(重い心臓病、重い腎臓病など)にかかっている人

Q8:健康状態や病気に関する調査

この研究に参加される場合には、CTの方もX線の方も、後日、1年に1度程度、あなたの健康状態や病気に関する調査を行わせていただく予定です。調査の方法は、ご本人あるいはご家族への手紙あるいは電話などによる問い合わせ、あなたが通院・入院される医療機関への調査、がん登録などへの問い合わせということになります。そのご承諾を得ることが、この研究への参加上必要ですのでご承諾をお願いします。

Q9:結果の公表について 

研究の結果は、検査結果や病気に関するものは学会などで公表されますが、多くは何百・何千例単位の分析であり、個人の住所・氏名などの情報が公表されることはありません。

Q10:参加の同意について 

この研究に参加されるかどうかは、あなたの自由意思によります。途中で参加を撤回することも可能です。

Q11:腹部内臓脂肪CT検査について(内臓脂肪CTに関しては実施しない地区・職場もあります)

最近メタボリック症候群が話題にのぼっています。X線検査の群の方は、この研究と並行して行う「採血+腹部CTによる内臓脂肪と健康との関係を長期間観察する研究」に無料で参加することもできます。その研究では「採血」「生活習慣調査」「腹部CTによる内臓脂肪検査」を一度だけ行いますので、御希望の方は、お申し出ください。希望しない方は参加しなくて結構です。胸部CTの群の方は、予算の関係もあり両方のCTは受けられないのでその研究に参加することはできません。